【ブラックPhone】

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ガチャ! バタン! 勢いよくボロアパートの二階のドアが開閉される。 ダダダダダダダダダン! そして階段を勢いよく駆け降りた灰色髪の少年。 「やばい!遅刻する!」 俺の名前は神太(ジンタ)。神威(カムイ)高校2年生で今日は1学期最後の日。 最後の日なのに遅刻は大分やばいな。間に合うといいけど。 俺は全速力で走っていた。暫く走っていると後ろから聞き覚えのある声が聞こえてくる。 「神太ぁ~!遅刻だわよ!バス間に合わないわよ!」 走りながら後ろを振り向くと神威高校の制服で身長の小さい金髪女子がもの凄い速さで走っていた。 この小さい金髪女子の名前は雷華(ライカ)で俺の幼なじみの一人だ。 因みに身長が小さいネタを言うとすぐキレる奴だ。 どれ、試しに。 「雷華!?あれ!?いないんですけど」 ドス! 「ぐは!?」 俺の背中にめり込む爪先。雷華が後ろから跳び蹴りを喰らわしてきた。 蹴りが刺さってんじゃないか!?正直、走りながらだからきつい。 「何も聞こえないわよ!何もね」 このようにキレる訳で。 何だかんだしてたらバス亭が見えてきた。 ――! 「てか、バスまだいるぞ雷華!走れ!」 「わかってるわよ!」 二人でラストスパートを掛けて何とかバスに間に合った。
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