アップ

6/6
前へ
/13ページ
次へ
翌朝 「あいちゃん、春菜、お願いがあるがやけど」 と声をかけたとたん、二人がきっとこちらを睨んできた。 「また、サボるつもり?それとも宿題忘れたとか?」 「残念、はずれ」 にやっと笑えずに思わず苦笑いしてしまった。それを不審そうにみつめるふたり。 春菜はくりくりのパーマをいじりながら 「嫌な予感」とつぶやいた。 「ちょっと窓に集合!はい!」 がらっと窓を開け、山々しか見えない景色に三人が向かって話す。これがいつものミーティングだ。 「ところで、部員は見つかった?二人とも」 「私は…さきといつきがしたいっては言ってくれたんだけど」 「じゃあ、春菜は?」 「私は、妹のあかりをいれさせるつもりだから。あとその友達の陽子。」 春菜は近所の姉貴だからなあ…服装から行動からその三人はいつも一緒で、ま、舎弟みたいなもんですよ。 「なるほどね、大分揃ってきたところで、いっちょ、生徒会長に直談判しに行きますかね」 「そうそう…って?!えー?!」 目をむきだしにして驚く二人、そんなに驚かなくても…… まあうるさくなりそうだからさっさと行こうかなっ。 「よっし、今から行くよー」 「はああ?!私スカート短いし、アイロンしてないのに」とあいちゃん。 「別にびびってねえし、行こう、あいちゃん」と春菜。 足進んでねーぞ…… 「放課後作戦開始だ」
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加