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なんだろう。
僕自身、自分が何を言おうとしたのかが分からない。思っていたよりフランクだったことに驚いただけかもしれない。
今時の女の子という印象は変わり無いけど、なんだか話しやすかった。
「言いたい事は言った方が楽になるわよ?」
「別に言いたくもないけど」
「そう。私の想像じゃ、思ってたよりうるさいねって言われるかと思ってたんだけど、合ってる?」
「…………。」
「……無言の肯定はやめてよ」
合ってるわけじゃないけど、近い事を言われたから少し驚いた。
自覚があるのかな。
「うるさいっていうか……おしゃべりだなって。勿論良い意味だけどさ」
「ふうん。今朝以前の高山君の私へのイメージはどんな風だったのかしら」
岩下さんは興味ありげにそんな事を聞いてきた。僕は今日以前の岩下さんの姿を思い出す。
休み時間に友達と話したり、疲れているのか昼休みにちょっと居眠りしたり……僕があまり見ていなかっただけかもしれないけど、普通の女の子だった。
でも周りの女の子とちょっと違うのは、レベルが高いというか単に可愛いというか……なんだか、行動の一つひとつに惹かれるものがあるような感じがした。
でもそんな事を言うと余計追求されそうなので、僕は違う事を口にした。
「んー……なんかもっと近寄り難くて、お固いイメージだった」
まぁ……あながち嘘でもない。
「へえ、私って知らない人から見たらそんな風に見えるの?ちょっと意外ね」
「そうだろうね。じゃ、自転車漕ぐからしっかり掴んでて」
「了解」
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