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「進藤くんが一人って、珍しいね」
「え?天野くんが居るのに一人なわけないじゃないですか」
「そうじゃなくて、いつも背の高い子といるのに今日は一緒じゃないんだねって意味」
「……大介ちゃんのことですか?」
「そうそう。そう呼んでる子。」
「別にいつもいつも一緒って訳じゃ…」
「そうなの?その子は進藤くんのこと離しそうにないのに」
ホントこの人終始笑顔だな。たまにイラッてくるよ。美形オーラびんびんと言うかなんというか。
地味顔に対する嫌みか。そうかそうか。
天野くん見れば黙々とオムライス食べてるし。
かわいいなぁこの子。
「大介ちゃんは僕のお母さんだからね。料理も上手だし、お嫁さんにいかが?」
なんかムカつくから副会長なんか大介ちゃんに攻められちゃえ。
笑顔で言えば、副会長は笑顔のまま無言で固まった。
誰でも彼でもタラシになる副会長が大ちゃんの恋人になったら、きっと大ちゃん副会長を教育し直してくれそうだよね。
怒ると怖いから、攻め倒しちゃったり?
あれ?この場合どっちが攻め?
大ちゃんお嫁さん向きだけど、身長的には大ちゃんが攻めで副会長受けなんだけど。
副会長慣れてそうだし、文句言う大ちゃん押し倒してそのまま、あはん?
で、結局副会長許しちゃうとか?
あれ、教育出来ない。
てか大ちゃんのあはん姿とか想像つかないんだけど。むしろ想像したくない?
大ちゃん、親友だしお母さんだし。
やっぱ大ちゃんは純粋にお嫁さんだな。うん。
副会長にはあげない。
「章那」
「──い゙だ…って大介ちゃん!?」
頭に重い衝撃が来て振り返れば、眉間にシワを寄せた大ちゃんがいて
ホッとしてちょっと嬉しかった。
いや、頭は痛いけど。
「また要らんこと考えてたろ。」
「ちょっくらノンストップだった!大ちゃん来るの遅い!ってごめん、僕が余計なこと言ったから」
「大ちゃん呼ぶな。寮に戻って晩飯作ってきた。」
「─え…?」
「晩は寮で食べろ。」
「あ、はい。」
「それとコイツらは?」
珍しく早口の大ちゃんの視線が天野くんと副会長をさした。
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