第1の変態 ヘブンウェイ

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俺は、電車の中で変な格好の連中に囲まれていた。 今の時代、二つ名を持つのに必死な奴らが多い。 アイデンティティーを持てば、良いと思っている典型的なアホどもだ。 (仮装パーティーみたいだ…) ガタンッ 電車が揺れる。ただでさえ、狭苦しいラッシュ時、人にぶつかるのは必至だ。 「あうぅ」 隣りの女がピンクっぽい声を出す。 (なんて声出しやがるんだ) 豹柄のニット帽をかぶっているので、ピンクパンサーとでも名付けよう。 と、よく見ればPP(ピンクパンサー)の尻には手が添えられ、さらに、愛しそうに撫でられている。 パッと見、ザ・痴漢。 その手の主を見てみると、無精髭の小汚ないオヤジがいて「俺はシュカンテンゴク、俺は……」とかぶつぶつ言ってやがる。 こいつは絶対危ない、関わらないでおこうと誓ったのだが。 「やめてぇ…」 PPは小さな声を出す。俺に向かって。
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