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「何か気に障ることがあったのですね」
その口調に、事の追及の意はない。根掘り葉掘り聞かないところは、さすが紳士だ。
「あのねぇ、朝の電車でねぇ…私のためにぃ…」
馬鹿が勝手に話しだしたが…
「青田んがぁ、痴漢を殺(や)ったのぉ」
「ボフゥッ!……っしょ…」
嬉しそうな顔して、何てこと口走ってやがる!
「あ、青田さんが、その…猥せつ行為を行なったということですか!」
そ、そんな、友達が授業中にチビってしまったけどどうしよう、みたい顔で俺を見るな。
「ち、違うっしょ!俺は犯(や)ってないっしょ!」
「えぇ?でも私、青田んが殺(や)ってくれて、とっても嬉しかったよぉ?」
う、嬉しいだと、こいつはぁ…
「はあぁぁ、何言ってるっしょ!俺は痴女を友達にもった覚えはないっしょ!」
二人とも痴女というピィーな単語に覚えがないのか、首を傾げている。
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