第1の変態 ヘブンウェイ

5/30
前へ
/450ページ
次へ
「何か気に障ることがあったのですね」 その口調に、事の追及の意はない。根掘り葉掘り聞かないところは、さすが紳士だ。 「あのねぇ、朝の電車でねぇ…私のためにぃ…」 馬鹿が勝手に話しだしたが… 「青田んがぁ、痴漢を殺(や)ったのぉ」 「ボフゥッ!……っしょ…」 嬉しそうな顔して、何てこと口走ってやがる! 「あ、青田さんが、その…猥せつ行為を行なったということですか!」 そ、そんな、友達が授業中にチビってしまったけどどうしよう、みたい顔で俺を見るな。 「ち、違うっしょ!俺は犯(や)ってないっしょ!」 「えぇ?でも私、青田んが殺(や)ってくれて、とっても嬉しかったよぉ?」 う、嬉しいだと、こいつはぁ… 「はあぁぁ、何言ってるっしょ!俺は痴女を友達にもった覚えはないっしょ!」 二人とも痴女というピィーな単語に覚えがないのか、首を傾げている。
/450ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加