第1の変態 ヘブンウェイ

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「最近、二つ名持ちの連中が集まって、グループや組織がいくつもできてるって話だよ」 毎度のことながら、こいつがネタを話す時は、いきいきしてるな。 「それは正式な二つ名、ということでしょうか」 「そうだね。私や武者っちみたいな、あだ名、というわけじゃないよ」 という事は、そいつら全員がNDKの申請をパスしてるわけか。 「それでぇ、それと電車がどう関係するのぉ?」 もっともだ。こいつも2ヶ月に1度くらいはまともなことを言うな。 「そう、それでね。そのグループの一つなんだけど」 これからが本題、って顔だな。 「グループ名は「ヘブンウェイ」って言って、活動場所は電車なのよ」 「活動場所が電車って、何をするっしょ?」 スクープは情報を出し惜しみする癖がある。チマチマ、小出しするので、これが自分の弱味とかだったら相当辛いのだ。 「だからぁ、目的はぁ、いやらしい事なわけよ」 いい加減に分かれよとでも言いたそうだな。 心配しなくても、そこまで言われれば、天然(輝欄)以外は分かるさ。 「つまり、ヘブンウェイってのは、痴漢の集団なわけ」 …やっぱりな。しかし、そうなると疑問がでてくる。 「そんな奴らが、よくNDKの申請に通ったなっしょ」 NDKの申請はかなりシビアだ。紳士も結構苦労した、と言ってたしな。 そもそも、そいつら犯罪者だろうが。 「まあ、細かいことは置いといて」 軽く流された。
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