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今思えば…
―それがいけなかったのかもしれない―――
彼女が言った言葉を私は今でも覚えている。
「咲裏沙裏?……んー…あぁ、あの子か。」
「知ってるの?」
「うん。親戚だったから…。」
「だった…?」
「花が咲くの咲くに、裏。沙羅双樹の沙に、裏…咲裏沙裏。………春香、あなたには彼が見えるのね。」
「遊ちゃん?」
竜月 遊。(たつつき ゆう)私の数少ない友人。
「春香、心して聞きなさい。彼は……、去年の暮に亡くなって…いるのよ。」
「……………え。」
「……そう。きっとまだあの子の事を
―――――想ってるのね――」
「………どういう事。」
竜月遊。彼女が語る彼らの物語が始まる
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