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二人はそんな事も気にせずケラケラと話をしていた。
すると、全身黒ずくめの"いかにも"って感じの二人組みが入店してきた。
そんな事もお構いなしに、二人はケラケラと大学の愚痴に花が咲く。
その"黒ずくめ"は二人を挟むようにカウンターに座った。
「おいおい、まっちゃん。なんかヤバくね?」
「気にするな、俺らは関係ねぇよ。」
まっちゃんは、お構いなしで「それでよぉ━━」と、話を進める。
次第にグラスのお酒は底へと向かう。
底が近くになるに従い、緊張は高まる。
もう無くなる頃には、二人のグラスはカタカタと震えていた。
意を決したように二人同時にグラスをカウンターにコンッ!と置く。
置いた瞬間、左右の黒ずくめはスクッと立ち上がり、二人の腕を掴む。
「おいおい、なんだよ!」
声は既に逃げ腰だった。
男たちは無言でただ腕を引っ張る。
「なんだよ!飲んでるだけだろ!やめろよ!」
引きずられながら裏口を出た。
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