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待ち合わせは、クリスマスのイルミネーションよりも輝いている道頓堀の橋の上。
女の子が渡ると必ず人数が増えるとのウワサが耐えないヒッカケバシ。
11月の冷え切った空気が俺の身を包む。
寒い寒い午後8時。
軽いキモチで来たはずなのに、俺は何故か、その日の為にやたらめかしこんだ(笑)
茶色のロングコートに、サングラス。
黒のブーツに、スラックスの黒いパンツ。
彼女と付き合ってからコンパなんて初で、まぁ軽いノリだからと分かっていたが、ちょっと足取りが早くなった。
向かう道頓堀に、見えたのは結構な人だかり。
コンパと言う事だから少人数と思いきや、結構大人数。
だいたい女の子も男も25人づつくらいの集団だった。
しばらくして、道頓堀のビジョンから、橋を中継していますとのアナウンスが。。。
えっ?橋が写されてるん?
と見ていると、白いダウンを着たちょっといなかっぽぃオカッパの女の子が、飛びはねたり、手を振ったりしていた。
まさに、おれの1m30cm斜め右に同じ動きをしている女の子が居た。なんだこいつは???
で、思いがけない事に、後ろが気になったのか、後ろを振り返って、俺に
'あれに写ってるねん('とニカッと笑った。
田舎っぽぃし、変な奴やけど、まぁ笑顔かわいいやん。
そうこうしている内に集団は、道頓堀の先の細い路地に消えて行った。
いつの間にかその女の子もいなくなっていた。
俺は悪友の秋吉を待っていた。
あいつまぢで遅刻常習犯やなぁ。。。
時計を見ると約束の8時をとうに過ぎていた。
すると、向こうの方から、手を上げて走ってくる奴が。。。
'直樹~っごめん(*_*)遅くなってもぅた'
まぁいつもの事だ。
'秋吉遅いから、みんな行ってしまったで。'
'まぢかぁ(*_*)'
青いニット冒が暑かったのか、それを頭からとり、ぜぇぜぇ言いながら、膝に手をついている秋吉。
'まぁ行こうや。'と言って、秋吉が一呼吸ついたのち、俺たちは、集団が消えて行った道を足早に向かった。
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