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店にて。
着いた店は俺の悪友秋吉のそのまた悪友りゅうちゃんが、予約していた飲み屋だ。
バツイチ子持ちのりゅうちゃん。何でこんなにいっぱい人集めたんやろ?
入った店にはテーブルが10組に女の子と男がバランス良く座っていた。
'もぅ出来上がってるやん'
俺は心の中で秋吉を憎んだ。
'直樹あっち空いてるから行こうぜ'
と秋吉が急ぎ足で向かうその先に、あの飛んだり跳ねたりしてた白いダウンの女の子が。。。
何故か俺はその女の子の横に座った。
'田舎っぺは、あんまり好みぢゃぁないのに。。。'
またも心の中で秋吉を憎んだ。
まぁ、楽天的な俺はすぐ心を切り変えて、ここは、楽しんだ方がいいと思い、横の白いダウンの女の子に'カシオレ取ってくれへん?'とスマートに言ってみた。
'うん、いいょ~'と白いダウンの女の子はまたも笑顔で言った。
'あっ、ありがとう'
と受け取る時に、彼女が、すかさず俺のコップにカシオレを注いでくれ、'何て名前なん?'と聞いてきた。
'直樹やで、なんて言うん?'白いダウンの女の子に聞き返した。
'あっ、あたし?りえこやで★★'
なんか元気な子やなぁ。
どうやら彼女は歯医者の助手をやっているみたいだ。
まぁ気もきく。俺はと言うと、その女の子の隣が丁度端っこだった為に、彼女と秋吉としか話す事が出来なかった。
まぁ、でも少し非現実的な世界が楽しめたかな。
会が終盤に差しかかり、彼女は終電がなくなりそうなのか、すくっとおもむろに立ち上がり、彼女の友達と帰ろうとしていた。
しかし、彼女の友達が、電話番号を聞かれていた為に、彼女の背中は少し寂しそうだった。
まぁ、これも何かの縁だし、
'なぁ、りえこちゃん'と声をかけた。
彼女は寂しそうな背中からうって変わって、こぼれんばかりの満面の笑みを俺に向けた。
かわいいんだけどなぁ。
'電話番号教えてよ'
彼女は嬉しそうに教えてきた。
'xxx-xxxx-xxxxやで★直樹さんは?'
俺はワンコールした。
彼女の友達が来て、二人は、'じゃぁねぇ'と大きく手を振って帰っていった。
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