2人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
ルカは、その男を歩かせた。
そして、薄暗い通路を抜け、重い扉を開け、後ろ手に閉めた。
「アル…連れてきたぜ。こいつがヨシキの言ってた奴だ」
「お前が、『ジャック・“ザ・リッパー”・ターナー』ってチンピラか?思ったより若いじゃねぇか。
噂は聞いてるぜ…。ナイフがすげぇそうじゃねぇか。
俺の下に付かねぇか?稼がせてやるぜ」
アルと呼ばれた男は、ルカに連れて来られた男にそう言った。
「俺はチンピラ呼ばわりされて黙ってられるほど、人間が出来てねぇぜ…。
あんた、俺をナメてんのか?
ここで全員殺って逃げるくらいわけねぇんだぜ?」
ジャックはナイフを出そうとポケットに手を入れようとしたが、そばにいたルカにすかさず腕を掴まれ、捻りあげられた。
「いてぇ…」
「ヨシキ…。噂通り根性もあるみたいだな」
アルはニヤッと笑って隣のアジア人を見た。
そしてスッと立ち上がると、ジャックに近づいた。
「俺は気が長い方じゃねぇ…。だがお前は少しぐらい我慢しても欲しい逸材だと思ってる…。
俺はヨシキを信じてるからな。
最初のコメントを投稿しよう!