いつもの朝、変わらない日常

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朝5時半―― 窓を開けた。 初夏の匂いを含んだ風が吹いた。耳に少しかかる位の髪の長さで、身体つきは少し細い感じがするが、筋肉質な身体つきで、いわゆる、着痩せするタイプらしい。 「眠いなぁ……さて、目覚ましに走るか」 そう言って、ジャージに着替える。黒で統一された、ごく一般のジャージだ。 着替えた後、玄関に行く前に、俺は寝ている少女に声をかけた。 「おーい、起きろよ」 「……」 「ささらー、起きろー。もうすぐ飯だぞー」 ささらは、布団でもぞもぞと動き、ゆっくりと起きた。緩いウェーブのかかった金髪で、朝日を反射し、栄えていた。……ひどい寝癖で。 「……はよー」 「起きたな。コンロに味噌汁あるから、それを温めといて。俺今から走るから、それまでに目ぇ覚ましとけよ。あと、寝癖直しとけよ」 「ささらちゃん、りょーかーい」 それを聞いてから俺は、家を出た。
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