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わざと聞こえる様にしているのか、声を大きくする人が居れば、小さい声で話している人もいる。
どっちにしろ何を言われているのかはおおよその検討がつく。
小さいころは言われる度に傷ついていたが、さすがに聞きなれてしまったのかあまり感心は無くなった。
どちらかといばそんな事を思ってしまっている自分が一番悲しい。
言われなくてもこんな自分が一番いやだ。
「おいっっ!!お前らいい加減なこと言うんじゃねえ!!」
隣にいた奎吾がクラスの人に向かって怒鳴りつけた。
クラスの人は目を丸くして驚いている。
普段の圭吾からは想像出来ないからかもしれない。
「いいよ、圭吾。本当のことなんだから‥‥‥」
「っっでもよ!!」
「奎吾‥‥」
まだ何か言いたげな奎吾の腕を掴み目を見る。
もう十分だって、ありがとうと思いながら。
「っ‥‥‥分かったよ。でも次何か言いやがったヤツは俺がぶん殴ってやるからな!!いいなっ!!」
奎吾の顔を見て悪口を言っていた人達も口をむすんだ。
奎吾はこの学園で1、2を争うほどの実力者で、そんなレベルのやつを敵に回したくないのか、または他だ単に殴られたくないか、まぁほとんどと言っていいほど奎吾の実力は知れわたっているから前者の方が大半だろう。
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