第2話 ~魔パンチ~

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「行くぜぇぇぇ!!!」 龍輔は閻魔に向かい、飛び出した。 龍輔の拳は勢いよく閻魔の腹にミートした。 「あららマッサージにもならんか。」 閻魔がさらっと言う。 その瞬間、龍輔の顎に、えぐるようなアッパーが炸裂した。 龍輔は宙に投げ出される。 龍輔の顎は骨折した。 「痛ってぇぇぁっ!!!」 がしっ 閻魔は即座に、浮いた龍輔の腕を掴み、強引に床に叩きつけた。 「うがあぁッッ!!!!!」 床と骨の音が混ざり、ゴリゴリと響く、龍輔の体は床に沈んでいく。 台所はもう血まみれである。 龍輔は床から起き上がることができない。 痛みにのしかかられているのだ。 「金輪際、人の前で悪魔の力を使うなよ。」 閻魔はそう言うと、龍輔に背を向けた。 「フ…フフ…」 龍輔の口が動いた。 「待てや……今日はキレたぜ…」 龍輔の体が光り輝く! 台所は雷に照らされた様な眩しさに包まれた! 「まさか…お前!!!」 閻魔は、目を細めながら、驚きの表情を浮かべた。 そして、大気が焼ける様な轟音から、龍輔の声がした。 「悪魔の力、フルパワーだああぁぁぁ!!!!!!」 カッ!! 光がまぶたすら透かせる 程になった。 そして消えた。 通常の真夜中の台所に戻ると… その様まさに威風堂々。 龍輔は閻魔の前に立っていたのだ。 両肩から広がる大きな翼。 帰り道に使った翼の比ではない。 「可哀相なヤツだ龍輔。お前のその悪魔の力をもってしても、俺を超えることはできんのだ…まだな。」 閻魔は手を顔にあて、嘆く。 「はぁぁ~…」 龍輔は右腕に力を込める。 「やァァ!!!!!」 「なっ!!??」 パシッ!! 龍輔の渾身の券打を、閻魔は手で止めた。 だが閻魔の顔にさっきまでの余裕は無い。 龍輔が間合いを空ける。 閻魔の手には痣ができていた。
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