プロローグ〓砂漠の国の幽閉少女〓

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…ここは、人が訪れる事など滅多にない、辺り一面砂だらけの砂漠の国サンドラー… 昔この地に住み着いた、砂漠の魔女マダム・フィッチィが呪いを掛けて、砂の迷宮を作り上げたと言います。 そんな砂漠の奥地の一角にポツンと佇む、大きな岩で出来た祠…そこが魔女マダム・フィッチィの住み処です。 その祠の上部には、ここが砂漠とは思えない様なありとあらゆる装飾を施した魔女の住居があるのですが、岩盤が深くめり込んだ下層には、固く岩で閉ざされた牢獄があり…そこには今、如何なる理由からなのかは解りませんが、一人の少女が封じ込められていました。 …その少女の名はサラ… …数年前サラは、故郷の国に伝わる“禁断の果実・シープル”をイタズラで食べてしまった罪により、遥か南東の海の国シーシャンランドからこの砂漠の地へ送られてきて、魔族同盟を結んでいるマダム・フィッチィに見張られながら幽閉されていたのでした。 うっかりサラが食べてしまった“禁断の果実”には、我々には想像も出来ない程の魔力が宿っているそうです。 …南東の海の国を治める女王クィーン・シャンメイドとその国の民は、母国に異変をもたらすようなその力の暴走を恐れてサラに、流刑と“カラカラ張り付け”の刑の罰を与えたのでした…
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