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そんなある日の真昼の事でした。
こんな砂漠の奥地に、ついに変化が起きる日がきたのです!
…一人の旅人らしきボロボロな身なりの男が、灼熱の沙漠を迷いこんで来たらしく、魔女の祠の方向へと向かってきていたのでした。
…辺り一面砂だらけの砂漠を越えてきたその男の眼に、ようやく見えたそびえ立つ岩場は、カンカン照りの世界に唯一のオアシスのように思えたのでしょう。
フラフラの足取りで、男は岩場の日陰にたどり着き、バッタリと倒れ込みました。
…その男の背中には、身の丈以上の長さの刀の様な武器が括り付けられている事から、どうも剣士のように思えます。
「……や…やっと…日陰に着いた……ん?」
灼熱の太陽の光を遮ってくれる岩影に倒れ込み、仰向けに空を見上げていた男の眼に耳に、シャボン玉の泡玉に包まれた囁き声が聞こえてきたのでした。
「…誰か…助けて…お願い、私をここから出して…」
男の耳に、小さいながらもハッキリと女性の助けを求めている声が聞こえてきました!
「…?…誰か、助けを求めている!…」
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