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母は私が中2の時に出ていった。
「お母さんはなんで帰ってけえへんの?」
「アイツは仕事や!京都まで仕事しに行ってる!」
夢女と父との会話を黙って聞いていた私。
私は知っていた。
夜中に何度も父と母が喧嘩していた事も、本当はこれが離婚だった事も、母は私達を連れて出ていくと言ったのに父がそれを許さなかった事も。
それから私は家事のほとんどをしなければならなくなった。
本当は友達と遊びたかったし、なぜ私だけがしなきゃいけないのか納得できなかった。
でも父は言う。
「お姉ちゃんが妹の世話すんのも、家事するのも当たり前や!」
――お父さんがお母さんと喧嘩なんかするからやん!
なんで私ばっかり………
心の中で思っていても、決して口には出せなかった。
こんな弱い自分が嫌い。
父の言いなりになっている自分が…大嫌い。
それでも短大に行き、その後専門学校にも行かせてくれた父には感謝していた。
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