Episode-Ⅲ 総元帥の企て

3/7
前へ
/954ページ
次へ
「頼みたい事があるからだ」 コイツや、それを上回る手練れ。 そして裏の世界の人間にしか頼めない事。 「内容は?」 男は傍らに置いている、一振りの長刀を手で撫でながら尋ねる。 ここは単刀直入に言うべきだな。 「柊と皇の暗殺」 「なっ!?」 流石の男も、いきなりの依頼に戸惑いの色が窺える。 当たり前といえば、当たり前。 だが━━━━ 「シオン、貴様が適任だろう?」 この男には、この依頼を受けざるを得ない事情がある。 「……だな。しかし、ユニットの要である三元帥を二人も殺って問題ないのか?」 男、シオンは口角を吊り上げながら、長刀を半分だけ鞘から抜いた。 僅かそれだけで感じ取れる、痛いまでの殺気。
/954ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6156人が本棚に入れています
本棚に追加