6156人が本棚に入れています
本棚に追加
「頼みたい事があるからだ」
コイツや、それを上回る手練れ。
そして裏の世界の人間にしか頼めない事。
「内容は?」
男は傍らに置いている、一振りの長刀を手で撫でながら尋ねる。
ここは単刀直入に言うべきだな。
「柊と皇の暗殺」
「なっ!?」
流石の男も、いきなりの依頼に戸惑いの色が窺える。
当たり前といえば、当たり前。
だが━━━━
「シオン、貴様が適任だろう?」
この男には、この依頼を受けざるを得ない事情がある。
「……だな。しかし、ユニットの要である三元帥を二人も殺って問題ないのか?」
男、シオンは口角を吊り上げながら、長刀を半分だけ鞘から抜いた。
僅かそれだけで感じ取れる、痛いまでの殺気。
最初のコメントを投稿しよう!