Episode-Ⅲ 総元帥の企て

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やはりこう言えば、シオンは間違いなく受けてくれると思っていた。 何故ならシオンは、誰よりも深く柊を恨んでいるだろうから。 その元となったのは、八年前のとある事件。 当時のユニットの部隊長を努めていた男が、遺体で発見された事件だ。 それは酷く痛々しい状態で、まるで人体実験の被験者にでもされたかの様な有り様だった。 そしてシオンはその時の隊長の補佐を務める立場に就いていた。 故に彼の悲しみは深い。 最も信頼を寄せていた上司を殺され、更には当時の元帥達はこの事件を揉み消した。 それはユニットの威信に関わるなどの理由からだろう。 今でも犯人の特定はされていないものの、様々な情報から当時部隊長を努めていた柊が犯人像に浮上した。 しかし決定な証拠は皆無。 結局事件の調査はろくにされないまま、捜査は打ち切りとなる。
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