Episode-Ⅲ 総元帥の企て

6/7
前へ
/954ページ
次へ
その言葉と共に、私へと向けられた長刀の切っ先。 青く透きとおった刀身は、美しく輝きを放つ。 しかし私は微動だにしなかった。 避けはしない…… いや、そもそも避ける必要がない。 今はまだ殺意を感じないからな。 それに例え、殺す気でかかってきたとしても、シオンでは私に勝つことは不可能だ。 「柊達を殺した後なら、いくらでも挑戦を受けてやろう」 闇の音色もろともな。 「フッ……」 シオンは笑みを溢すと、私に向けた長刀を鞘にしまいこんだ。 「良い報告を待っている」 「あぁ……」 シオンは最後にそう小さく呟き、この部屋を後にした。
/954ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6156人が本棚に入れています
本棚に追加