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その言葉と共に、私へと向けられた長刀の切っ先。
青く透きとおった刀身は、美しく輝きを放つ。
しかし私は微動だにしなかった。
避けはしない……
いや、そもそも避ける必要がない。
今はまだ殺意を感じないからな。
それに例え、殺す気でかかってきたとしても、シオンでは私に勝つことは不可能だ。
「柊達を殺した後なら、いくらでも挑戦を受けてやろう」
闇の音色もろともな。
「フッ……」
シオンは笑みを溢すと、私に向けた長刀を鞘にしまいこんだ。
「良い報告を待っている」
「あぁ……」
シオンは最後にそう小さく呟き、この部屋を後にした。
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