Episode-Ⅲ 総元帥の企て

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一人となった広い室内には、只々沈黙のみが続く。 柊に皇か…… あいつ等も昔は、実験動物の様な扱いを受けてたからな…… この世界を裏から支配しようと蠢く、灰色の組織。 セフィロトの樹(ツリー)。 その中核を担う、四大使徒の一角。 真偽(マギ) 柊や皇だけではなく、世界中から優秀な子供を集めて、人体実験を行っていた人物だ。 いや、最早あんな所業が行える時点で人の精神など遥かに越えているか…… 柊も皇も、真偽によって人生を大きく狂わされた犠牲者なのだがな…… 出来れば、あの二人も救ってやりたかった。 しかしユニットの隊員達などに、同じ様な事を行っていたあいつ等も最早同罪。 死を持って償ってもらう他ない。 「となれば、新しき元帥を任命せねばならんな……」 私はそんな考え事をしながら、窓から覗く綺麗な月を見上げた。
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