Episode-Ⅳ 風は吹く

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「アブソリュートガーデン……か……」 お前はまだ戦い続けてるのか? 一度くらい墓参りに来いよ、全く…… 本来なら俺がお前を守る様に、お前の親父と約束したんだがな…… もう、その約束を守れそうにはない。 この世に生まれ落ちて十七年。 遂に、本格的な命は下された。 次に会うときは、間違いなく、お前の前に立ちはだかる事になるはずだ。 「さて、行くか……」 俺は地面に置いていた荷物を手に、墓石に背を向けた。 これでお前の代わりに、墓参りへ来てやれるのも最後だな。 そんな事を考えながら、俺は口に煙草をくわえて火を点けた。 「負けるなよ……」 俺は空へと吸い込まれていく、灰色の煙りを見つめて小さく呟いた。
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