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━━本条ミレイ━━━━━━━
ユニット本部付近の街外れ。
廃墟と化した、古い建物が建ち並ぶ細長い道を私は全力で駆けていた。
理由は、俺の僅か前方を走る男を捕まえる為。
罪状は麻薬売買です。
「逃がしません!」
この辺り一帯を仕切っていたあの男を捕らえれば、麻薬売買の犯罪は沈静化するでしょう。
「捕まってたまるか!」
そう大声を上げる男は、私より確実に足が早い……
これでは拉致があかないです……
なら……
私は右側の髪の毛を耳に掛け、右耳に取り付けていたイヤホンマイクのスイッチを押した。
微かなノイズが走り、やがてその音はクリアになっていく。
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