Episode-Ⅰ 二年後

2/10
前へ
/954ページ
次へ
━━本条ミレイ━━━━━━━ ユニット本部付近の街外れ。 廃墟と化した、古い建物が建ち並ぶ細長い道を私は全力で駆けていた。 理由は、俺の僅か前方を走る男を捕まえる為。 罪状は麻薬売買です。 「逃がしません!」 この辺り一帯を仕切っていたあの男を捕らえれば、麻薬売買の犯罪は沈静化するでしょう。 「捕まってたまるか!」 そう大声を上げる男は、私より確実に足が早い…… これでは拉致があかないです…… なら…… 私は右側の髪の毛を耳に掛け、右耳に取り付けていたイヤホンマイクのスイッチを押した。 微かなノイズが走り、やがてその音はクリアになっていく。
/954ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6156人が本棚に入れています
本棚に追加