Ordinary

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「おはよう、未輝。」 私を見てにかって笑うとそう言った。 私も微笑みながらおはようって返すと、外へ出て鍵を閉めて学校へと歩き出す。 瞳輝はフランス系のアメリカ人で、ブロンドの髪の毛、青い目、そして日本人より遥かに白い肌をしている。 一目で日本人でないとわかる容姿。 そう言う私は、ブラウンの目に髪の毛、そしてやっぱり肌の色は白い。 私のお母さんは日本人だけど、お父さんはアメリカ人らしく、その遺伝子を引き継いだからだ。 らしいと言うのはお母さんの話の中でしか、お父さんのことを知る手立てがなかったからである。 そのお母さんは、今は亡き人になってしまったので、それ以上はもう知ることは出来ないし、知りたいと思うことも今まであまりなかった。
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