だいちゃんとふうせん

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気持ちよさそうに眠るだいちゃんの顔を、じっとのぞきこんでいる者がいます。 それは7個のふうせん達でした。 「今日は楽しかったね。」 青いふうせんが言いました。 「空に舞い上がった瞬間がたまらないよね」 黄色のふうせんが言いました。 「でもさあ、僕達を飛ばして遊んでいた子供達、と~っても楽しそうだったよね。」 白いふうせんが言いました。 「僕達が人間になって、子供達を飛ばしてみたいね。」 オレンジのふうせんが言うと、ふうせん達はいっせいにため息をつきました。 「でも、どうしたら良いんだろう…」 ふうせん達は考えました。 「そうだ。空気入れでだいちゃんをふくらませてふうせんにしちゃおう」 赤いふうせんが言いました。 「名案、名案!」 皆はうなづきました。 しかし、軽いふうせん達が何人乗っても、空気入れはちっとも動きません。
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