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その時です。
開け放った窓から、虹色をしたハンカチが風に乗って舞いこんで来ました。
「まあ、綺麗なハンカチ…」
ピンクのふうせんはにっこり笑いました。
「このハンカチで遊ぼうよ。」
「「さんせ~い!」」
ふうせん達は大喜びです。
フワフワポーン…
フワフワポーン…
「楽しいね」
オレンジのふうせんが言いました。
「最高の気分だね」
白いふうせんが言いました。
ところが、夢中で遊んでいるうちに、ハンカチがふわっと窓の外に…。
「たいへ~ん‼」
あわててピンクのふうせんが、ハンカチを追いかけて、ちょこんと上に乗ってしまいました。
「ピンクちゃ~ん‼」
皆どうしていいか分からず、ただオロオロするばかりです。
ハンカチはピンクのふうせんを乗せたままグルリと旋回すると、また風に乗ってだいちゃんの部屋の中に戻って来ました。
「よかったね~」
「戻って来れて…ホッとしたよ」
「恐くなかった?」
ふうせん達は大喜びしながら、口々に声をかけました。
「ちょっとビックリしたけど楽しかったわ。」
ピンクのふうせんは笑顔で言いました。
その時不思議なことが起こりました。
虹色をしたハンカチが、みるみる大きくなっていったのです。
もう、ふうせん達はビックリです。
虹色のハンカチはさらに大きくなり続けました。それと同時にじゅうたんのように厚くなっていきました。
ふうせん達はポカンと口を開け、見ているだけしか出来ません。
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