だいちゃんとふうせん

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「ねえ、ふうせんが何個あったらお空を飛べるのかなぁ~。」 1番小さな翔君が言いました。 「1000個位あったら飛べるんじゃない?」 要君が言いました。 「僕は10,000個位無いと飛べないと思うな。」 だいちゃんが言いました。 「10万個でも無理よ。私達が膨らませたふうせんでは…。空気より軽いガスを入れないと、空に飛んでは行かないのよ。」 美佳ちゃんの言葉に皆ガッカリです。 「でもさあ~、空を飛べたら楽しいよね。」 翔君が両手を広げて、その腕をゆらしながら鳥になった気分で、皆の周りを走り回りました。 「ねえ、今から皆でお昼寝して、空を飛ぶ夢を見ようよ。」 「翔君、夢ってかってに見ちゃうものだから…思った通りの夢を見るのは難しいかもよ。」 だいちゃんに言われ、翔君はガッカリしています。 「でも翔君はいい子だから、ひょっとしたら鳥になって空を飛ぶ夢を見れるかもしれないけどね。」 美佳ちゃんのフォローに少し元気を取り戻した翔君は、安心したのか本当に眠ってしまいました。 「凄くはしゃいでいたから疲れちゃったのね。」 夏海ちゃんが、寝顔を覗き込んでにっこり笑いました。 「空を飛んでる夢でも見てるのかしらね。」 美佳ちゃんは翔君の体を優しくトントンしながら言いました。
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