だいちゃんとふうせん

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やがて翔君が目をさまし目をこすり出すと、《ゆうやけこやけ》の音楽が流れてきました。 「グッスリ眠れた?」 「うん。眠れたよ。…あのね…僕ね。お空を飛ぶ夢を見たんだよ」 翔君はにっこり笑うと、鳥のように両手を広げて、上下に揺らしました。 「そう、良かったね」 美佳ちゃんは翔君の頭をなでました。それから、遊んでいる子供達に向かって言いました。 「もう、お家へ帰ろう」 その声を聞き、子供達はそれぞれ風船を持って集まって来ました。 「イヤだ~。もっと遊びた~い」 夏海ちゃんが、口をとがらせ駄々をこねました。 「遅くなると、お母さんが心配するでしょ。この曲はね、カラスと一緒に帰りましょう~っていう歌なのよ。」 「うん、分かった。そのかわり明日もまた遊ぼうね」 夏海ちゃんもあきらめたようです。 子供達は、それぞれ自分達の遊んだ風船をだいちゃんの部屋のベッドに乗せると、 「また明日遊ぼうね、バイバ~イ」 と言って帰って行きました。
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