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校長:え~…さっそくですが、今回皆様に行っていただく場所は、小笠原のとある施設です。その場所はとてもセキュリティが厳しいので、筆記用具や携帯電話、デジタルカメラ、パソコンと言った電子機器はもちろん、飲食物などの生物の持ち込みも禁止されていますので、くれぐれも持ってこないよう、お願いします。
不思議なこともあるものだ。
課外学習と言いつつ、記録するモノを持ち込んではいけないとは…
それに、場所が小笠原というだけで、施設の名称もはっきりしていない…
それもセキュリティによるものなのか?
校長は淡々と説明を続ける…
校長:それから、当日は私服で構いません。朝の7時に学校を出発いたしますので、それまでには登校するように。説明は以上です。明日は早いですから、午後の授業は中止としますので、各自昼食を済ませたら速やかに下校するように。
そう言い放った校長は、そそくさと台上をあとにした。
それと同時に生徒達が一斉に立ち上がり、散り散りに体育館を出て行く。
喜代雅:朝7時かぁ…早ぇなぁ…
光太郎:あぁ…でもドコに行くんだろうな?
喜代雅:…小笠原だろ?
光太郎:いや、小笠原のなんの施設だよ…
喜代雅:知らね…セキュリティが厳しいってくらいだから、今は言えないんじゃね?別にいいっしょ!大事なのは授業がないってこと!
光太郎:それもそうだな!
そのときは俺も喜代雅と同じ考えだった…
明日になればわかる。
試験も終わり、大学の入学も決まっていた俺たちにとっては、残りの授業なんて消化試合にすぎないし、そんな退屈な授業よりも遥かに楽しいだろう。
そんな、ミステリーツアーのような楽しさまで感じていたくらいだった。
少なからず…そのときは…
そして、いつもと違う、次の日の朝を迎えた。
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