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Episode・1 少女
ドタドタドタ!!
ガチャンッバタンッ
激しい破壊音と足音。
お母様とお父様が僕を暖炉に押し込む。
「いい?絶対にここから出ないの
声も上げちゃ駄目
人が来たら息もしちゃ駄目
分かった?」
一体何がどうなっているのか分からず、頷くことしか出来なかった。
暖炉に必死に身を寄せる。
ドタアンッ!!
ドアが破壊される音がした。
「恨みはないが死んでもらう」
現れた男達の手には剣。
お父様は怯えるお母様を抱きしめ、男達を睨んでいる。
「抵抗しなければ痛みなく殺してやる」
「そうはいかない
私もこの屋敷の主
逃げる真似はせん」
お父様は壁の飾りの剣を手に取る。
お母様が心配そうにお父様を見ている。
「そうか
死ね」
金属音と何かが裂ける音。
お父様の呻き声とお母様の短い悲鳴。
怖くなって目を強く閉じて耳を必死に押さえた。
音が何もかもなくなって、辺りは静まり返った。
でも怖くて、僕は暫くただそこでジッとしていた。
でも、本当に何の音もしないから、もう大丈夫かな?出てもいいよね?
そう思って、暖炉から出た。
そしたら……部屋は真っ赤だった。
「お父様……?
お母様……?」
二人の姿を探したら……すぐに見つかった。
二人の生首と真っ赤に染まった体が。
お父様の体は切り裂かれ、体の中から何かが出ていた。
胃の中の物がこみ上げ、その場に吐いた。
「お父様……
お母様……」
涙が溢れた。
僕はその場で大声で泣き叫んだ。
その時後ろで、音がした。
「生き残りが居たのか」
ゆっくりと振り返った僕の視界に、腰に剣を帯びた男の人が映った。
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