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「飛鳥……お前人事だと思って……」
「まぁ人事だし」
ニッコリ笑う彼女は本来女なのだが、男の色気を思わせるような妖艶さがある。
だが、一度女に変われば、その際の女の色気も凄まじい物がある。
そのせいで狙われた者は機密情報の一切がっさいを引き出されてしまうのだ。
「あの子体洗ってる間も起きなかったが」
「神経が図太いようだな……」
さすがに紅輝も驚いた。
だが、それだけ神経が図太いなら悲鳴をあげられなくて済むかも知れない。
悲鳴をあげられればどう考えても近所の住民に不審がられる。
そうなれば殺し屋『緋の者』の正体がバレる可能性がある。
暗殺などには慣れている紅輝だが、正体が世間にバレると当然仕事もやりにくくなるし、住居も移さなければならなくなる。
紅輝は今のこの場所が気に入っているのだ。
ちなみに飛鳥もキルも、決して“仲間ではない”。
もし仕事となれば飛鳥は誰にでも紅輝やキルの情報を売るし、キルも依頼が来ればいくらでも飛鳥や紅輝の抹殺にかかるだろう。
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