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少女はコクリと頷く。
「逃げて……寝てた」
逃げて寝るって……やはりこの子は神経が図太いと紅輝は思った。
「俺の名前は飛鳥
君の名前は?」
「朱璃(しゅり)」
「朱璃ちゃんか
うん、いい名前だね
朱璃ちゃんお父さんの名前は?」
「お父さんはお父さん」
つまり、父親の名前が分からないらしい。
飛鳥は苦笑し、朱璃の頭を撫でた。
その時、ガチャッと玄関のドアが開く音がした。
「たっだいま~」
という無駄に明るい声と共にキルが帰って来た。
「いや~女の子の下着まで買わなくちゃいけなかったから店員さんに果てしなく不審者を見る目で見られたよ
それでもちゃんと買って来たんだから褒めて愛してくれていいよ、紅輝」
紅輝は差し出された服の入った袋を飛鳥に渡す。
飛鳥はコクリと頷き、朱璃と脱衣所に戻った。
紅輝は喉が乾いたと思い、冷蔵庫からペットボトルのお茶を出して飲んだ。
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