Episode・3 生活

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紅輝は自分の悩みのタネである少女を盗み見た。 そして少し目を丸くし、ため息をついた。 「朱璃(しゅり)。ズボンは頭に被せるものじゃない」 少女の今の姿は頭にパジャマのズボンが被され、上は右肩が見え、ボタンは一つしかついていない。 「ったく……来い。着替えさせてやる」 紅輝に呼ばれ、朱璃はトテトテと紅輝に歩み寄る。 紅輝は朱璃の頭からズボンを外し、見えていた右肩をパジャマの中に入れ、袖を通らせ、ボタンをすべてとめる そしてズボンをはかせ、ポンと朱璃の頭を撫でた。 「はい、終わりだ」 朱璃はコクリと頷き、寝室に向かった。 朱璃は必要最低限のこと以外は喋らない。 そして、表情に至っては一切変わらない。 まるで、人形のように…… 一体何者なのか疑問は募るが、朱璃は話さないため何も聞けない。 紅輝は片手で顔を覆い隠し、ため息をついた。
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