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どこへ行くとも無しに駆け出した。こんな所にいれば大変な事になる。
建物の影に入ったところで後ろの方から「い、いなくなったぞ!」なんて聞こえてきた。急いで何とかしなきゃ。でも、どうすれば。
隠れながら考えていたら、ピンポーンとチャイムが辺りに鳴り響いた。
『緊急事態発生。緊急事態発生。第5世界地球日本関東エリアにおいて重度のイレギュラーが発生した。標的は人型。恐らく思考を所持している』
いくつか聞き慣れない言葉があったけど、これを聞いてはっとした。
そうだ。考えてみれば毎日何億何兆という命が消えているのに、考えてみればここには僕以外何もないじゃないか。
重度のイレギュラーという事は、もしや転生先を変られるんじゃないか。
俄 然 や る 気 出 て き た。
ただ、如何せん情報が少ない。どうしよう……
「この建物にいるんじゃないか。ここは地球への転生扉もあるし」
「いや、今見てきたがここにはいなかったぞ」
なんたる幸運! まさかこの建物が当たりだとは!
それにしてもここの奴らは馬鹿だ。間違いない。情報を自ら吐露するなんて!
声の主達がいなくなった所で、そっと建物に潜り込んだ。さながらスネーク。
潜り込んだ建物の内装は学校の校舎を連想させる。生憎扉の文字は読めないので、手当たり次第に扉を開いてみる事に。
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