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そう言ったのは、
誰だったろう。
思い出せなくて、
憎くて……
そして一歩も動けない。
「死ねば、良かったのに」
そっと呟く。……私が?
「死ねば…良かった?」
疑問付が私を取り巻く。
「死ねば良かった」のは、
私か、あの人か。
あの人は、
生きているのだろうか?
私は、
生きているのだろうか?
「死ねば、良かったのに」
そう、言ったのは誰だったろう。
あの人と、私とは、
幸せにはなれないのか。
一緒に居ては、
いけなかったのか。
もしも願いが叶うなら、
どうか一緒に。
願うのはただ、
それだけだったのに。
それすら、
愚かだったというのだろうか………
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