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私の一日は、まず起床から始まる。
って、当たり前か。
私の朝は長い。
心行くまでぐっすり眠る。
起きて、昨日寝た相手が居ようと居まいとどうでもいい。
居たら、少しだけ面倒かな。
色々と話し掛けられるから。
「名前は?」
「…真由」
私の名前は毎日変わる。
もう二度と会わない人に、私の名前なんて必要ないから。
「ケータイ教えてよ」
「持ってないんだ」
これは本当。連絡を取る人は居ないし、必要もないから。
「この辺に住んでるの?」
「まぁね」
曖昧にぼかすしかない。
私には帰る家なんてないもの。
「また会える?」
「…かもね」
もう、会うわけないでしょ。
今日の私にこの男は必要ない。
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