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私は何も聞かない。
なのに、男達はベラベラと自分の話をする。
時には自慢げに。
時には卑屈に。
時には寂しげに。
私は何も言わない。
なのに、男達は執拗に私のことを聞いてくる。
私の情報を手に入れても、無意味ってことがわからないのかな。
「何か、欲しいものはない?」
おじさんは、お金を出さなきゃ私を抱けないと思っている。
頼まなくても、服や靴を買ってくれる。
今まで身につけていたものは、不要だから捨てる。
だから私には荷物もない。
あるのは、財布とタバコとピルだけ。
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