プレジデント・ガール

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ホワイトハウスにガレージなんて無い。 少しばかり歩かねばならなかった。 18歳ながら一応車両免許は持っていたりする。 特殊とかもあるから実は戦車も動かせる……らしい。 メリーランド州へ少し踏み込んだ場所にそれはあった。 地下式の2階構造。 その一角に私のキャデラックが駐車されている。 ロケット弾を防ぐ防御力、パンクしても走り続けられるタイヤ、どこでもネットや電話が出来る暗号化衛星通信システム。 このネットワークシステムでネトゲのFPSしたら怒られた。 回線速度素晴らしかったのに。 大統領専用車両とほぼ同じスペックを備えるけど、あっちはリムジンでこれは一般車両。 搭乗人数が4人どころか機器の所為で2人になった。 とは言っても、こうやって個人用車両にわざわざ大統領だからってリムジンと同じ仕様にしてくれたGM社とシークレットサービスには感謝しないとね。 早速エンジンを掛けて街へと繰り出した。 メリーランド州からまたホワイトハウス前に戻り、司法省とかを通り過ぎる。 そして青春禁止令をカープレイヤーで流していたらエネルギー省。 入ろうとしたらMP5持った警備員に止められた。 FPSで覚えた武器の一つ。 「ここはエネルギー省、関係者以外は立ち入り禁止だよお嬢さん」 「……関係者に見えない?」 言葉を発してから気付いた。 大統領選挙に出馬して当選したとはいえ、未成年。 マスコミに名前は出ても顔は出ないのだ。 そのおかげでお忍び外出でも国民が気付かない訳で。 そして私の名前と顔と地位が一致出来る人間は、ホワイトハウス職員と関連省庁の上級スタッフ以上のみ。 詰まる所目の前の下っ端は知らない。 「関係者……と来ると。誰かの娘さんかい? 名前を言ってくれ、オフィスに確認したら通すぜ」 「エステル・C・H・ジェファーソン。私の名前」 「おいおい、大統領の名前なんて出されてもどうしようもないぞ? 嘘はいけないなぁ」 「……私の全てを否定された気分になった」 イライラしてくる。 脳が宇宙世紀な連中め、てめーら今度からガンダム省って呼んでやるからミノフスキー粒子でも研究してろ。 車内電話を手に取り、ダイヤル。 宛先は勿論ガンダム省。 ≪──はい、エネルギー省でごさいまs≫ ≪長官に繋げ。おう早くしろ≫ ≪し、失礼ですがどなt≫ ≪ネルフオペレーター早く碇司令に繋ぐか入口で私を通して≫ ≪……っ!! こ、これはとんだ失礼を! 迅速至急に手配致しますっ!≫
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