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「あぁ、そのことならもういいわよ。」
「へ?」
思い切って話して謝ってみると別にもういいとのこと。
あんなに悩んだのにあっさりと解決してしまった。
「へ?って何よ。許してほしくないの?」
「滅相もございません!!」
It’s japanese 土下座をした俺を軽く変な目で見てくる楓だがこれはこれでいいかもしれないと思ってしまった。
あ、もちろんM的な意味ではない。
こういうのやりとりを楓とするのが久しぶりだったからだ。
「ところでさ」
「何?」
「今日同じクラスの川越にいきなり名前で呼び捨てにされたんだが、もしかして楓の知り合いか?」
そう、今日川越に突然呼び捨てにされたことはとても印象に残っているのだ。
しかし楓は少し顔を暗くして
「そうね……あんたは光のこと…。」
「ん?」
「いや、なんでもないわ。」
小さな声で何かを言っていた楓だが何もないように次のような一言を言った。
「明日から遅刻しないように毎日起こしに行くから、遅刻したら………どうなるかわかってるわね?」
「……はい。」
中学の頃からそうだったのだが春休み中はそうではなかったため言い直したのだろうか。
しかし俺は楓の笑顔に恐怖しか覚えることができなかった。
春休みボケが治った俺は楓とも更に仲が良くなれた気がするし、入学式の日はとてもいい日になっただろう。
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