‥夏の空は、

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「犬や、ねこみたいなのもみえるよ、」 と彼。 「‥そお?」とあたし。 「オレ、むかしいわれたんだよ‥占い師にさ、」 「なにをよ」 「ながくつれそうパートナーを得るけれど、あなたはその価値に気づかないうちにそれを失う、って」 「あなたが?」 「うん。オレは女と二、三年もつづいたことなかったからさ。テキトーなこといわれたんだろうな、って‥てっきり思ってたんだけど、そうじゃなかった」 「‥」 「二十年飼ってたねこがさ、死んだんだ」 「‥そう。」 「うん」 「あなたは、人間あいてより、ネコむきかもね」 「なんだよそれ」 と彼はわらったが、夕まぐれの闇に、彼のかおはおぼろににじむ。
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