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そんな俺の脳裏にふと過ぎるのは、ナイトメアを共に攻略してきたみんなの笑顔だった。
そして洋平、おばあちゃん。
陽子さんの笑顔。
俺の大切な人達。
もう誰一人として顔を見ることができない。
俺はもうすぐゲームオーバーとなり、死ぬ。
死んだらどうなる?
現実世界でもいずれ死ぬのか?
強がってはいたが、いざ死が迫り来ると不安で押し潰されそうだった。
誰も巻き込みたくない。
それを貫き通した結果、自分の掴んだ結末は孤独な死。
これが俺が望んだ結末……。
堪えていた涙が頬を伝ってどんどん地面に落ちていく。
そういえば今の残り体力は?
気を紛らわすように俺はナイトメアを確認する。
自分の残り体力が???と表記されており見えなくなっていた。
――ああ、そうか……。
俺は目の神経機能を失ったんだな。
となると、順番的に残っているのは最後となる心臓だけか。
つまり俺の体力は、5000以下になったということだ。
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