【第三組・拠点E】

21/25
67935人が本棚に入れています
本棚に追加
/200ページ
そんな俺の脳裏にふと過ぎるのは、ナイトメアを共に攻略してきたみんなの笑顔だった。 そして洋平、おばあちゃん。 陽子さんの笑顔。 俺の大切な人達。 もう誰一人として顔を見ることができない。 俺はもうすぐゲームオーバーとなり、死ぬ。 死んだらどうなる? 現実世界でもいずれ死ぬのか? 強がってはいたが、いざ死が迫り来ると不安で押し潰されそうだった。 誰も巻き込みたくない。 それを貫き通した結果、自分の掴んだ結末は孤独な死。 これが俺が望んだ結末……。 堪えていた涙が頬を伝ってどんどん地面に落ちていく。 そういえば今の残り体力は? 気を紛らわすように俺はナイトメアを確認する。 自分の残り体力が???と表記されており見えなくなっていた。 ――ああ、そうか……。 俺は目の神経機能を失ったんだな。 となると、順番的に残っているのは最後となる心臓だけか。 つまり俺の体力は、5000以下になったということだ。
/200ページ

最初のコメントを投稿しよう!