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すると杉浦さん達がこちらにやってきた。
「いよいよだな。ここでペンタグラムを使うんだろ?」
「はい、そうです」
「舞、じゃあ、あの台座がそうっなんっすか?」
太一さんが穴のあいた台座を指さす。
「だと思います。以前、別拠点になりますが、台座の前を調べたことがありますので」
あの台座に、二本ある内の一つ。
つまり、ペンタグラムの技がある方のレイピアを装備して……
「でも使用者に危険なこととか起きたりしないよね? 僕、君にもしものことがあるんじゃないかって……凄く心配で」
朝霧さんが私をまっすぐに見つめた。
「でもここまで来たんです。何が起ころうとも私は逃げません。だからやります」
「……うん、分かった。でも、何かあったら僕が絶対に君を守」「ゴホンッ!!」
朝霧さんの台詞途中に、杉浦さんの咳払いが聞こえてきた。
「えっ……杉浦さん?」
「あー、クソッ! すげえ埃が飛んでやがる!」
……。
「えっ、埃なんて飛んでるっすか?」
「いえ……」
太一さんと尚美さんはこぞって首を傾けている。
「うっせえ! 俺が飛んでるって言ったら飛んでんだよ。適当にあわせとけよな、このバカ」
な、なんて滅茶苦茶で理不尽な。
と言うか……杉浦さんが荒れている?
彼は太一さんの背中にパンチした。
「あたっ!?」
「杉浦さん、暴力はダメですよ」
「知らねえよっ。それより、舞。やんならとっとと済ませろ」
杉浦さんは後ろに下がる。
私とすれ違う時、
「チッ……朝霧の野郎、俺の気も知らねえで。少しは俺の前では遠慮しろよな……クソッ」
そう、杉浦さんの呟きが聞こえてきた。
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