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ゆみんがメールを送っている間、私達は集まって話をしていた。
「金田さん、大丈夫ですか? 元気出してください」
「うぅ……ううぅ……ズビッ! 僕だって……僕だってイケメンに産まれたかったのに……ヒック」
「金田さんよ、顔のことなんて気にするな。ワシも魅力ないぞ。だが、美味い物が食えればワシは幸せだからな。世の中、顔じゃない。飯だ! さらに言うと牛丼だ。生きている間に何杯食えるかが大切なのだ」
「お……おっさん、ホント幸せだよね。その考え尊敬するよ」
田中さんは金田さんの肩に手を回し、元気づけるためだろうか?
変な歌を大声で熱唱し始めた。
「ドンギュー、ドンギュー、ギュギュギュギューン♪ ワシとギュードン♪ カネダサーンとギュードン♪」
「わっ……ひっ! や、やめてください、恥ずかしいです、わ、わわわっ! わあっ!?」
無理やり振り付けをレクチャーされる金田さん。
周囲からドッと大きな笑いが起こる。
沢山の犠牲者を出してしまった為、沈みがちだった皆の顔に少し活気が戻った気がした。
なんて言うか……田中さんの周囲を巻き込む力はやはり凄い。
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