出会い

8/41
前へ
/199ページ
次へ
僕は朝早く目が覚めた。 僕の隣にはアリスエイドがいる。なんで俺のベッドにいるんだ?とか思いながらも起こさずにベッドから出る。 早く起きたついでに昨日買った髪染を使った。 しかし髪の色は黒に戻ることは無かった。 「なんで?」 「そのような偽りの物で染めれる訳なかろう」 いつの間にかアリスエイドは起きて僕の後ろに立っていた。 「どういう事だ?」 「その髪の色は我の血によるもの、故にそのような髪染など無意味なのだ」 「じゃあ、染めることは無理なのか?」 「うむ」 「そ、そんな・・・」 「大丈夫だろう、我の力の一つ。魅了を使えばよかろう」 「魅了?」 「そうだ、魅了とは人間を操る能力だ。しかしお前はハーフバンパイアだから操る時間は僅かだ」 「どのくらいだ?」 「うむ、5分くらいだな」 「それだけか・・・」 「なぜ困る?」 「僕は、あまり目立ちたくないんだよ。しかも学校では髪を染めるのは駄目なんだ」 「学校?なんだそれは?」 「学舎っていえばわかるか?」 「ああ、寺子屋みたいな感じか」 「まあ、そんなものだな」 「じゃあ、そのガッコウとやらの一番偉い奴に魅了を使って説得すればよかろう」 「そうか!校長先生に他の先生に説得してもらえば」 「解決したようだな。なら飯を作ってくれ」 そう言われたのでサンドイッチを作った。僕は朝は食べないのでアリスエイドが食べる姿を見ていた。 吸血鬼・・・西洋の妖怪で男の吸血鬼が美女の血を吸い殺すのが有名だけど女もいるんだな。 「なぁ、アリスエイド?なんかアリスエイドって言うの面倒だからアリスって呼んでいいか」 「・・・・・ああ、構わん」 「そうか、アリス。僕は学校に行くけどお前はどうするんだ?」 「我はご主人の影に入ってもう一眠りしようとおもっておる」 「そうか、じゃあ僕は学校に行くから入ってくれ」 「うむ、美味な飯であった。それではご主人、用があったら呼んでくれ。しかしご主人の影がないと我は出ることができんからな」 「わかった」 アリスは俺の影に入って行った。
/199ページ

最初のコメントを投稿しよう!

353人が本棚に入れています
本棚に追加