出会い

3/41
前へ
/199ページ
次へ
「そうか、じゃあ言ってみろ」 「お前の血を吸うこと」 「・・・・・・」 「・・・・・・」 「そうか・・・・じゃあ吸うか?」 「いいのか?吸ったら最後、お前は死ぬぞ」 「言い訳ないだろ。僕だって死にたくない」 「だったらなぜ?」 「知らん。知らんから取り敢えず吸っとけ」 僕は、そう言って彼女の顔を無理矢理、首もとにもっていき吸わせた。 血が無くなるのがわかる。体から無くなっていく。うーん、姉貴は心配するだろうか?いや、しないな。うん。 僕は頭の中でそんなこと考えながら意識が真っ暗になった。 そして目が覚めて周りを見渡す。そこは僕の部屋だった。夢か?とかベタなことを考え無意識に首もとを触る。そこには誰かに噛まれた後があった。夢じゃなかったか・・・・ならあの女はどこへ―― 「よう、ご主人。目が覚めたか?」 「・・・・・なんでいるの?」 そこには僕が昨日、血をあげた美女がいた。ていうか吸血鬼だった。 「ご主人と契約したからじゃ」 「はっ?契約?」 「そうご主人と我は契約したのじゃ、左耳を見てみよ」 僕は洗面所に行き鏡を見た。僕の左耳に1つのピアスが着いていた。しかも取れない。 「これなに?」 「契約の証じゃ。我かご主人、どちらかが死ねば取れるようになっておる」 「はぁ~、そう。でなんで家の事知ってんの?」 「血を飲む時、一緒に記憶も流れるのだ。家の場所を知るなど造作もないわ」 「そうかい、身体はなんともなってないからいいか」 「いや、そうでもないぞ」 「えっ?」 「我と契約したとき代償として命をもらっておいた。当たり前であろう?我と契約するとなるとそれ位当然」 「でも僕生きてるけど・・・」 「それは命と引き換えに手に入れたのは我と同じ力だからな」 「例えば?」 「高速再生とか剛力とか不死とか」 「はっ?不死?お前、昨日、死ぬとか言ってなかったか?」 「それは血が充分にある時の事だ」 ・・・・コレが僕に起こった不幸である。
/199ページ

最初のコメントを投稿しよう!

353人が本棚に入れています
本棚に追加