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国に存在する多数の都市や港町、街などを繋ぐ列車。
列車は大多数の国民が利用しているためいつも混んでいるのだが、唯一真昼の時間帯はいつも乗客が少なかった。
そのため、この時間に必ず空いていた一番後ろの車両の端の席が彼女のお気に入りだった。
意味もなく真昼に電車に揺られ、同じ場所で乗り、一周して同じ場所で降りるのが何よりも彼女は好きだった。
その女性の名は、アリス。
綺麗な白髪の髪と皺の多い顔、細く華奢な身体を隠すようにフードの付いた黒いローブに身を包んだ老婆だ。
人のいない車両の端の席に座る彼女は、いつも列車に揺られながら思いを巡らせている事がある。
“死”についてだ。
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