69人が本棚に入れています
本棚に追加
/129ページ
犀下宮へと戻ってきた翠煉は、雛嘩-スウカ-の秘密を握っていると言って彼女を脅した貴族の娘にばったり出くわした。
しばらく二人の間には微妙な空気が流れる。
翠煉は言うことは何もなかったのでその場を去ろうとした。だが、彼女は何かあったようで翠煉が避けて行こうとする道を尽く塞いだ。
そして、名前も知らない彼女は翠煉の格好を見て鼻で笑った。
「そんな格好で早朝から何処に行っていたのかしら」
彼女の言う通り、翠煉は夜着を着たままだった。
あの時は気が動転していたので、着替えることもせずに外に出てしまっていた。
最初のコメントを投稿しよう!