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数十分歩いて着いた場所は、王宮の東棟の、来る途中で見た中で一番大きな扉だった。
「失礼いたします」
そう声をかけて入った女官長に続いて、翠煉も入室する。
入った部屋には2人の見知らぬ人物と、高瀬綾杜。
見知らぬ若い男の方は、机の上に上げられた書類を片付けている。
もう一人は、40代後半の優しそうな笑みを浮かべる男。だが、その内面には強い意志が感じられた。彼は若い男を手伝うでもなく、部屋の中央にある対面式の机に座って茶を飲みながらくつろいでいた。
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