序章

4/5
69人が本棚に入れています
本棚に追加
/129ページ
その淡い希望は、父様の部屋の戸を開けた瞬間消えた。 部屋の中は戦闘の形跡が見られる。血が飛び散り、父様と兄様が黒装束の者達によって囲まれ、倒れているのが見えた。 心の臓に刺さっている刀が、すでに二人が死んでいることを物語っている。 黒装束の者達は一様に私を見、そしてその中の一人が舌打ちをする。 「まだいたのか」 しかし、その言葉は今の私には聞こえていない。 男がゆっくりと近づいて来る。 「イヤーーーーーーーーーっ!!」 「!?」
/129ページ

最初のコメントを投稿しよう!